東京はやはり日本一の大都市であり、起業するのに適した面がたくさんあります。一方で、最近東京の強みが減っていて、地方でのビジネスがとても「やりやすく」なっているなと感じます。僕は東京と札幌で二地域居住をしながら、両地域でビジネスをしていますが、今回は札幌でのビジネスのしやすさについて考えてみます。
地方にいても交流がしやすくなった
これはコロナ禍の影響も大いにありますが、「直接会わないこと」が当たり前になった結果、地理的な状況で会えない / 会いにくいことがデメリットではなくなりました。
例えば、ある地方の起業家からスタートアップとして拡大していきたいので投資家を紹介してほしいと頼まれたことがありました。何名かのVCを紹介しましたが、実はまだ彼とは一度も会ったことがありません。彼もまだVCとは直接会っていませんが、投資の検討はだいぶ進んでいるようです。
このように、直接会ってなくても何の違和感もありませんし、会えない状態であっても新しく人と繋がることが容易になりました。
いろんな意味で地方のインフラが整ってきた
仕事で札幌に行くのですが、現地で車は所有していません。しかし札幌の拠点は駅から徒歩30分もかかるところにあり、徒歩では非常に不便です。それに近隣の商圏調査をしたり、競合店舗調査をする際も、やはり車が必要になります。タイムズカーシェアリングのようなサービスがあることでそういった問題は解決。車を持たなくても必要な時間だけ自由に車を使えるようになりました。

また、シェアオフィス、コワーキングスペースが充実しているのも地方でビジネスがしやすくなっている一因です。地方のシェアオフィスは、1万円台から借りられて法人登記できたりもするので、起業や地方副業のハードルが大きく下がりました。
このように、20年前だったら移動や拠点で非常に困るようなケースも、今はほとんど解消されているように思えます。カーシェアリングもシェアオフィスも、15万人都市くらいになるとほとんど事欠かないかと思います。それ以下の小さな都市だと事情が異なるかもしれません。
二地域居住や移住が歓迎されるようになってきている
これは10年くらい前からかなと思いますが、様々な自治体や団体が、移住や起業・副業に対して具体的な支援策を打ち出すようになってきました。日本は2008年以降人口減少が始まり、どこの自治体も人口が増える動きを歓迎しています。特にそれが起業や副業といった、地方を活性化させてくれるようなものであれば大歓迎です。さまざまな支援が用意されているほか、ネットワークの構築などに関しても地元の商工会議所が支援してくれるなど、「よそ者」を歓迎してくれる雰囲気は昔より一層強くなっているのではないでしょうか。
結果、東京のクライアントにも営業しやすい
地方でビジネスしやすい理由として、「東京に営業しやすくなった」という利点もあると思います。先述の通り「会わないことが普通」になった社会では、提案してきた会社が札幌にあるか東京にあるかを気にされることがあまりなくなりました。純粋に品質や予算で比較検討される面が、たった数年前と比較して相当強くなったと言えるでしょう。これもコロナ禍の影響でIT活用が加速したからかもしれません。