クリニックのウェブ集客、「速く、分かりやすく、シンプル」にの大原則

私が経営しているのは動物病院ですが、歯科医院、美容外科、どんなジャンルのクリニックや病院でも、もはやウェブサイトによる集客(集患)は必須になっています。うちの病院は開業から5か月ほどで、地域での検索順位TOP3%くらいに入りました。何か特別なことをしたわけではなく、タイトルの通りの当たり前を実践しただけです。その「当たり前」が具体的に何をしたのか公開しようと思います。

業者に外注しよう

たまに身内や友人に依頼したり、自己流で勉強してウェブサイトを作ったりする人もいますが、お勧めしません。その方がプロであったり、自分がそのレベルまで勉強するならいいのですが、すでにプロレベルの人に依頼したほうがうまい、早い、(結果)安い、ことは当然です。

外注するとき、僕はLancersというウェブサービスをよく使っています。細かい依頼から、大きな依頼、それが幅広くできる素晴らしいサービスです。クラウドワークスというサイトも同種です。どちらでも相性の良いほうを選ぶとよいでしょう。

9割のサイトで使うWordpress(ワードプレス)、その注意点

ほとんどのクリニックのウェブサイトでは、クリニック自身の紹介のほか、院長やスタッフによるブログやコラムというコンテンツを作ることが多いです。そういった、専門知識がない人でも簡単にウェブサイトを構築できる「Wordpress」というオープンソースアプリケーションがあります。ウェブサイトを依頼したら、ほぼ9割がワードプレス使いましょう、になると思います。

ワードプレス自体は非常に優れたツールなので、使うこと自体は否定しません。ただし、注意点があります。ワードプレスの特徴として、様々な機能を、非常に手軽に追加できる、という魅力があります。機能追加には「プラグイン」と呼ばれる追加アプリケーションみたいなものをインストールします。ほとんどが無料です。こいつが曲者です。

プラグインを使うと、ウェブサイトの動作が重くなったり、バージョンアップごとにアップデート作業が必要で余計なコストがかかったりすることがあります。極力プラグインを使わない開発を依頼するとよいでしょう。

「速いサイト」がGoogleに好まれる

プラグインを使うと動作が重くなる(遅くなる)と言いましたが、これはもちろん閲覧者にとってマイナスです。ですから、Googleもそういったサイトは検索で上位に出さないようにします。自分のサイトがどのくらい早いのかはPageSpeedInsightsというサイトで確認ができます。

今現在、このブログはスマートフォン、PCともにほぼ100点(またはそれに近しい数値)を維持しています。別に100点を取る必要はないのですが、スマートフォンで65点以上くらいを合格点と考えて構築を依頼するとよいでしょう。サイトが遅いと、それだけでGoogleの評価がマイナスになってしまいます。

「ヌルヌル動くかっこよさ」なんて誰も求めてない

デザイナーに依頼して高額な費用を払って構築してもらうと、ウェブサイトがヌルヌル動くようになります。スクロールに合わせてコンテンツが右から出てきたり、左から出てきたりします。なんとなくかっこいい。大手企業のウェブサイトがそうなっている。それはわかります。

しかし、ほとんどのケースでその「ヌルヌル」はマイナスに作用します。Googleの評価的にネガティブになる(少し詳しい話をすると外部のJavaScriptを参照して動きが遅くなったりする)こともありますし、どこの動物病院やクリニックに行くのかを決める時に、ヌルヌル動いて今っぽいかどうかなんて誰も考慮しません。

写真がきれいかとか、文章がしっかりしているか、院長のプロフィールはどうか、施術に対するこだわりはどうか。そういったことは気にするでしょう。しかし、なんかヌルヌル動く、みたいなウェブサイトは正直作り手の自己満足だと思います。そんなのいらないから、とにかくわかりやすく作ることに専念しましょう。

シンプルさとは何か

「シンプルさと貧相さは紙一重」と言われたことがあります。あれは刺さりました。なるほどなと何度頷いたことか。

また、デザインは常にプラスマイナスゼロ、とも言われました。すべてを目立たせようとすればすべてが目立たなくなる。確かにそうなるだろうなと思います。

ではシンプルさとは何かと定義するならば「必要な引き算がすべて終わっている状態」です。「もう足すものがない状態」ともいえると思います。

必要な情報が、必要な人に、必要なタイミングで提供できるような設計になっていることが重要です。正直僕は、クリニックのウェブサイトにいわゆる「デザイン」の要素はほとんど必要なくなっていると思っています。特に9割近いユーザーがスマートフォンで閲覧してきますから、いわゆる「飾る」デザインは不要で「設計する」デザインがどんどん重要になってきているのではないでしょうか。

以上、SEO含めて、ユーザーにもGoogleにも愛されるウェブサイトの原理原則の一部をご紹介しました。外注するといくらかかるかとか、ほかにどんな注意点があるかとか、ご希望をいただけましたらまた書いてみたいと思います。それでは。